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先生のご紹介

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約14年間ドイツや日本で
多くの社会人に
安心感のある
日本語教育を提供

川嶋 裕子 先生

川嶋 裕子 先生

プロフィール

日本語指導経験14年、ドイツの語学学校や現地企業、その他ビジネスパーソン向けのオンライン日本語指導に従事。ドイツ滞在歴約20年の先生なのでドイツ語での指導も可能です。

1.  約14年間、ドイツや日本で小学生から
ビジネスパーソンまでを対象に日本語を指導

1990年代から2012年までドイツに滞在し、日本語教育やドイツ語および日本語の翻訳・通訳に携われてきた川嶋先生。ドイツと日本でどのような指導をされてきたのでしょうか?

2005年~2012年までドイツの語学学校・外国語専門学校で社会人向けにビジネス日本語講師をしていました。帰国後は日本の小学校や世田谷区のオーストリア派遣児童のためのドイツ語講師、世田谷区外国人のための日本語教室の講師、現在は、ドイツ企業内の日本語研修講師をしています。

2.  多いのは社会人を中心とした日本語指導。
企業担当者から相談を受けたことも

川嶋 裕子 先生

一番経験があるのはどんな方ですか?

一番指導経験があるのはビジネスマンの方です。例えば、ドイツでは企業向けの日本語集中コースや語学専門学校、社会人が通う市民学校、日本では建設会社の社員の方に教えていました。現在はドイツ企業の方、財団の所長さんなどに教えております。

企業担当者の方から、相談を受けたこともあるとか。

「会話の最初にクッションがない」という話を伺いました。外国籍社員によくある傾向なのですが、「お忙しいところ大変申し訳ありませんが…」といった日本特有の、心遣いを表すいわば緩衝材の表現がなく、結論からコミュニケーションをとってしまい職場で、軋轢が生じてしまったとのことです。

会話のクッションを課題としている生徒さんには、まず生徒さんに伝えたいことを教えてもらい、それを日本語で伝えるベストな表現を伝えて、ひたすら口に出して言っていただきます。そうすることで、実際に使えるものになっていきます。

外国籍社員にありがちな会話のクッションがないという課題も、生徒さんの伝えたいことに合わせて教えていただけるのでかなり実用的な授業といえそうです。

3.  先生ではなく対等な立場で。
緊張させない授業で日本語を話すのを楽しんでもらう

企業の方からおおよそのレベルや目標は事前に聞いているのですが、実際のレベルがもっと上だということもよくあります。ですので、まずは生徒さんとお話をさせていただきながらレベルを確認させていただきます。会話の中で活用が違うところや、場面に合った使い方になっているかなどがもし違っていれば、訂正をしていきます。

訂正を重ねると生徒さんは嫌気がさしてしまいませんか?

そのとおりです。実は私は「教える」という言葉があまり好きではありません。というのも、上下関係を含めた意味合いを感じられるからです。私が生徒さんと接するうえで大切にしているのは2つあります。1つは、「1人の対等な社会人として接すること」もう1つは、「リラックスした気持ちで授業にのぞめるようにすること」です。

私がドイツに滞在していたからとても共感できるのですが、外国から日本にやってこられて慣れない言葉を話しながら生活するのって大変です。そのうえ、仕事をしながらハードな雰囲気で日本語を学ぶのでは、苦しくなってしまいます。語学は継続が何よりも大切なので「日本語を話すのって楽しい」と思ってもらえるように接しています。

ご自身の海外滞在歴があるからこそ、生徒さんの気持ちが非常によく分かるということですね。

4.  「話す自信」をつけてもらうレッスンで、
受講生の日本語力が飛躍的に向上

川嶋 裕子 先生

以前、建設会社で働く、28歳のベトナム国籍の社員の方のレッスンを持ったのですが、なんと派遣先の会社から「日本語が全然できない」と戻されてしまったのだそうです。彼は現場監督として派遣され、本部から言われた指示をスタッフに伝える仕事をしていました。しかし日本語での伝達がうまくできず、現場の進行に支障をきたしてしまい、スタッフからも反感を買ってしまうという状況になってしまったとのこと。

実際、彼の日本語のレベルは低かったのでしょうか?

いえ、現場の声とは反対に、とても良く言葉を知っていたのです。ベトナムの優秀な大学を卒業しただけあって、大変な勉強家で、業界用語もたくさん知っていました。本来ならば活躍できる人材であるはずなのに、日本語が不自由なばかりにつらい経験となってしまったのです。派遣会社の方も「なんとかしてこの子の応援をしたい!」とおっしゃられていて、私もこんなに学習意欲が高くて努力家である人材をこのままにしておくのはもったいないと思い、彼のレベルアップをサポートすることにしました。

彼の日本語の課題は何だったのでしょうか?

一番は「自信」です。現場での辛い体験からか、萎縮しているように見受けられました。具体的には、会話をしていて、返事をいただくときに間がありました。失敗してはいけない、という思いが強くなってしまったのだと思います。ですから、わたしはひたすら「自然体で待つ」ことを意識しました。「待っている」感じを出してしまうと、相手にプレッシャーになりますから。実際にあまり待ち構えるという感じを出さずに待っていると、比較的で正確でレベルの高い日本語を話してくれました。もちろん文法の誤りなどは適宜訂正しますが、彼のペースで話すことを積み重ねるうちに、自信を取り戻すようになり、最終的にはスラスラ話してくれるようになりました。現場から「日本語が話せない」というのは、日本語が話せないのではなくて、焦るあまりパニック状態に陥っていたのではと思います。

川嶋先生の「会話への自信をもってもらう」スタンスで、生徒さんは安心して日本語のアウトプットをできるようになったのですね。生徒さんはなんておっしゃられていましたか?

川嶋 裕子 先生

「楽しかった」と言われました(笑)今でもメッセージでやり取りをすることがあるのですが、日本での仕事や生活を楽しんでいるようです。

この生徒さんに限らず、受講生とはコースが終わった後もコンタクトが続くとか。きっと、日本語を学ぶ外国人の方の悩みの最大の理解者なのでしょう! 他の生徒さんのエピソードもお聞かせいただけますか?

実はこのベトナム国籍の子の授業は、グループレッスンで他に2人の生徒がいました。レベルはバラバラで、1人は来日半年で、表現のバリエーションが少なく、上司などに話しかけるときすべて「すみません」で済ませている状況でした。ですので、場面ごとの使い分けを教えていきました。もう1人は半年しか勉強していないのに漢字も書けるし、間違いを気にしない、話すエネルギーがすごい子でした。この生徒さんに対してはひたすら話をさせてその都度訂正をする、書かせて自分の間違いに気づいてもらうことに重点をおきました。ひとりひとりレベルが違っていても、その生徒さんの良さを活かしながらレッスンをすることで、日本語能力は高まると思っています。

以上、川嶋先生のインタビューでした。ご自身が外国人として20年弱ドイツに滞在されていたからこその共感力。そして、指導ノウハウはもちろん、生徒に応じて「待つ」姿勢で日本語を話すことの楽しさや自信をもたせてくれるのが、先生の最大の強みと言えるでしょう。

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