フリーダイヤルフリーダイヤル

講師インタビュー(田中先生)【日本語教育のサクシード】

先生のご紹介

ホーム > 田中先生

日本文化の背景への理解深め、
言葉を活きたものにする

田中 先生

プロフィール

日本語指導経験17年。香港の日本語学校で日本語指導の経験を積まれ、現在はJLPTやEJU対策を主に、企業向け日本語教育のオンライン指導をされています。

1.  現在またはこれまでに、オンラインでどのようなレッスンを担当していますか

どんな形式でどんな指導をしているのか教えてください。

ビジネスマンの方を対象に、パワーポイントなどでドリル練習をしたり、リスニングをしたり、会話練習をしたりしています。
日本語でコミュニケーションがとれることを目的とされている方に向けて、「Japanese for busy people」という教科書のローマ字版を使用しています。こちらはビジネスシーンの会話がたくさん出てくるので、勉強したことを実際の生活に応用しやすいのではないかと思います。

オンラインレッスンのよいところ・オンラインレッスンだからできることを教えてください。

オンラインのよさは、何といってもどこでもできるということだと思います。現在担当している生徒さんは、とても忙しい方で、日本だけでなく海外からもアクセスして勉強されることがあります。これが対面授業でしたら、レッスンをお休みしなくてはいけない、もしくは日本語の勉強をあきらめなくてはいけなかったかもしれません。また、授業で使用するパワーポイントで発音訂正や音読練習など注目させたいところがある場合はオンラインのほうが分かりやすく見せることができると思います。

指導の流れをおしえてください

はじめに今、使える日本語でウォーミングアップします。例えば「今日は何月何日ですか。」や「昨日どこに行きましたか。」など何でもいいので少し話してからレッスンに入ります。
いきなりレッスンに入ってしまうより、生徒さんがリラックスできるので、その後のレッスンがスムーズになります。それから前回の復習をします。前回新しく勉強した言葉の復習をしたり、絵を見て目標とする文法の文や会話を作ったりします。そのあとに、新しい言葉の導入、文法の導入と練習、リスニングや会話などの応用練習になります。

指導で工夫しているところを教えてください

3つあります。
一つ目は、授業で使うパワーポイントなどは、できるだけ分かりやすいものにすることです。
例えば助数詞の発音で注意してほしいところや助詞などは色を変えて見せていますが、そのようにして耳から入る情報だけでなく視覚からも確認できるようにしています。

二つ目は、日本の文化を取り入れたレッスンにすることです。生徒さんの中には、日本の行事や生活様式などに関して、あまり知らないという人たちもいるので、意識的に知ってもらう機会を作るようにしています。

三つ目は、教師は必要なこと以外はあまり話さないようにするということです。それはレッスンの時間をできる限り生徒さんの発話の時間に使いたいからです。現在プライベートで教えていますが、1時間そのようにレッスンをすると、生徒さんは、かなり話すことになります。

2.  企業研修の授業の事例を教えてください

企業研修の場合、人事担当者とどのようなコミュニケーションをとられますか?

1か月に1回、秘書の方と人事の方に授業記録をお送りしています。生徒さんが何をどのように勉強したか、またはその時の様子をお伝えしています。気になる時は授業後にその日の授業記録をお送りすることもあります。
そうやって担当の方々と共有することで何か問題が起きた時に対処できるようにしています。また、何を勉強しているか知ってもらうことによって、生徒さんが日本語を使う機会が増えるかもしれないということも期待しています。

企業担当者や日本語を学ぶ人の、日本語を学習するにあたっての悩みは何だと思いますか?

いろいろあると思いますが、助数詞や助詞などに苦戦する生徒さんは多いと思います。
例えば「4月」は「しがつ」ですが、「4階」は「よんかい」になるなど覚えなくてはいけないことが多いことに嫌になってしまう生徒さんもいます。
また、話している場所によって、「行きます」「来ます」を使い分けしなくてはいけない場合や敬語のウチとソトの関係など母国語にはない考え方を理解して使えるようになるのも難しいようです。

参加者からはどんな声をいただきましたか?

ある程度教科書が進んだ後に、以前の会話の絵を出して復習をしたことがあったのですが、その時にそういうのいい!と喜んでくださったことがありました。嬉しかったのと同時に、そういう事がしたかったのかと分かってよかったという経験があります。
また秘書の方から、日本語が上手になって驚いたと聞いた時も本当嬉しかったです。そういうお声は本当に励みになります。

4.  この仕事(企業向けの日本語教師)を選んだ理由はなんですか

香港に住んでいた時に日本語教師の夫の勤めていた日本語学校で時々お手伝いするようになったのがきっかけです。はじめは続けるつもりはありませんでしたが、色々な国の人たちと接していくうちに楽しくなり、気が付いたら17年もやっていました(笑)。

日本語学校などのお仕事以外に、なぜ企業向けの日本語講師をはじめられたのでしょうか?

日本語学校にも一度社会経験をしてから留学生として勉強している人たちが何人もいましたが、彼らが日本語を通して語ってくれる話には、とても興味深いものがありました。そういう経験豊富な人たちがいる企業向けの日本語は、他の日本語教育とどう違うのか知りたいというのがありました。

4.  やりがいを感じるのはどんな時ですか

つきなみかもしれませんが、はじめはほとんど話せなかった人が徐々日本語でコミュニケーションをとることができるようになった時です。そういう時の生徒さんは皆さんとてもいい表情をされます。また日本語の勉強が楽しいと言われた時は、この仕事をしててよかったと思う瞬間です。

大変なときは、どんな時ですか?

大変だと思うことは、あまりありません。けれどこの17年間で、これでよしと思えた授業は多分一度もなく、そういう意味では大変なのかもしれません。でも、ああでもない、こうでもないと考えているのも実は好きなのかもしれません。

5.  最も力を入れていることはなんですか

日本語学習に日本の文化を取り入れることです。なぜなら、手段としての言葉を活きたものにするには、そこに住む人々の文化的背景への理解が必要だと思うからです。
例えばお正月やひな祭りなどの行事は写真を見せて説明します。またゴミの分別などは曜日の言い方を勉強した後に「燃えるごみの日は水曜日です。」など文を作りながら説明することもあります。

日本語上達のポイントは何ですか?

語彙力はポイントだと思います。多少文法が分からなくても、キーワードを聞くことができれば話の内容など推測することができると思います。
そして、続けることです。いい時もあれば悪い時もあるでしょうし、時間がとれないこともあると思いますが、続けていけば上達していくと思います。

生徒のモチベーションをあげるために気をつけていることは?

時々、成功体験を味わえるような状況に持っていくことです。
それはどんなレベルでもできることで、例えば会話練習の中で、生徒さんが「”それはいくらですか”という言い方が上手く使えた!」とが思えれば、次もまたがんばって勉強を続けることができるのではないでしょうか。

以上、田中先生のインタビューでした。

まずは、お気軽にお問い合わせ・
ご相談ください。

tel:0120-926-062
お見積り・お問い合わせはこちら